【著者インタビュー】『サニーサイドアップの手とり足とりPR』著者吉田誠さんにきく、広報PR思考とは?〜Part 2〜

「たのしいさわぎ」をおこし続けているPR会社、株式会社サニーサイドアップ。2020年にはPR会社世界ランキング18位にランクインし、その勢いは国内外を問いません。

株式会社クロスメディア・パブリッシングは4/30『サニーサイドアップの手とり足とりPR』を出版。PR業界初とも言える、社内マニュアルを書籍にし、一般公開しました。著作チームの中心になったのが、PRプランナー・アカウントプランニング部部長で幅広い企業の広報・PR企画を立案してきた吉田誠さんです。

企業向けの広報セミナーなども数多く行っているPRのプロフェッショナルの吉田さんに、クロスメディアグループの「ひとり広報」濱中が、本書についてインタビューしてきました。

今回はインタビュー後半です!

(以下敬称略)


「企業PRは企業の「キャラクター性」を表現していくこと」

濱中:商品・サービスのPRと企業のPRってまた全然違うと思います。でもどちらもストーリーを作るのが大事になりますよね?

吉田:言い切るのは難しいですが、商品PRって割と即時的に話題を作る場合短期的なものが多くて、企業PRは長期的視点での長い付き合いが必要です。この本にもありますが、企業PRの場合、その企業のスタンス、いわゆる企業がそもそも世の中の課題に対してどういう姿勢であるのかを伝えるのが重要です。企業をつくっているもの、例えばミッション、バリュー、働く人たちなど、企業を形成しているものに共感してもらうのが企業PRのミッションです。ですので、中長期的にコミュニケーションをとっていくのが企業PRで、その時の消費者にどれだけ適切か、ということを伝えるのが商品PRです。ターゲットとしている時間軸の違いはあれど、そこにストーリーが加わることで付加価値が生まれるのは間違いないですね。

濱中:私自身、企業PRを担当しているので、短期的に効果がはかれないという点で、PRの難しさは身に染みてわかります。

吉田:そうですよね。企業PRは忍耐強く企業の人達と伴走していく必要があります。企業の中にもPRのネタはたくさんあります。たとえば、面白い個性豊かなメンバーとか。会社の中の色んな側面を社会に見せてくのが大事だと思います。「法人」って企業を表しますが、人という字があるように、会社は「人格」を見せていくのが大事なんです。企業のイメージってありますよね。人に持つイメージと一緒で、その企業が人でいうとどんなキャラクターやイメージなのかって考えたら良いと思います。

「サニーサイドアップの社内は毎日が“文化祭の前日”」

濱中:それで言うと「たのしいさわぎ」っていうのはサニーサイドアップさんのキャラクター性を表している気がします。

吉田:その言葉のとおりで、弊社は楽しいかどうかっていうのをすごく大事にしています。「楽しい」って色んなことを解決してくれると思うんですよね。その人が楽しくいられたら小さい課題とか悩みごとに振り回されなくなる。だからサニーサイドアップのポリシーとして「皆が楽しくなればどんな苦しいことも超えていける」、そう信じてやっています。

濱中:「さわぎ」っていう言葉も、一人じゃなく、皆で「楽しい」を共有しているように感じていいなと思います。

吉田:ありがとうございます。クライアントの方から「サニーサイドアップっぽいね」って言われると、それは心から楽しんでもらえている証拠だと考えています。PRは正解がないからこそ、「楽しい」を一つの基準にするのもいいと思います。でも最低限の「正しい」を理解してもらうことは大事で、それはこの本を参考にしてもらえたらと思います(笑)これをまず習得してもらってから、「楽しい」を軸に新しいことに挑戦してもらえたらと思います。

濱中:サニーサイドアップさんは自分たちが楽しむのも大切にされているようですね。

吉田:「サニーサイドアップは毎日が文化祭の前日みたい」と社内のメンバーも言っています。例えばイベントの前日って忙しいはずなのにみんながどこか楽しく仕事しているのがサニーサイドアップの強みだと思います。

「関係性づくり」のためなら「手法はボーダレス」

濱中:書籍についてですが、吉田さんが改めて伝えたいことは何なのか、お聞きしたいです。

吉田:PRって可能性で溢れていると思います。「関係性づくり」のためだったら、手法は何を使ってもいいんです。とにかく手法はボーダレスっていうことを伝えたいですね。キャンペーンとかデジタルマーケティングのことに関して書いてあるPRの本ってほとんどないと思います。一方で、世の中の一般的な手法も載せていますが、これはどんな手段を使っていい、っていうメッセージを込めたかったからです。基本的に、「やってはいけないこと」ってないんです。楽しそうだったら、いわゆる一般的な手法じゃなくてもいい、それがサニーサイドアップの考え方です。PR会社だけど、そのラベリング自体もあまり意識していなくてどうでもよくて。どんな手でもいいから良い関係性を作っていくことを目的にしている。読者の方にもそういう風に広報やPRをとらえてもらえたらと思います。

濱中:「良い関係性づくり」を考えてクライアントの方に向き合う姿勢が大事なのですね。

吉田:そうですね。認知拡大とかメディアに掲載してほしいっていう依頼が多いですが、「関係性づくり」のために、生活者一人ひとりにあった物語をつくることを心がけています。

「企画はこうやって生み出す!」

濱中:「ひとり広報」の方から聞く、よくある悩みってどんなことですか。

吉田:「何から手をつけるべきかわからない」とか「うちにはネタがない」とか。ちゃんと取材させてもらうと、社員の方がユニークだったり、制度が面白かったり。ネタってたくさん転がっています。商品開発の裏側をみせてもらえば、「10年もかかったの?それ自体でニュースになりますよ」とか。視点を変えて探せば色々あります。

濱中:クロスメディア・グループに広報PRを依頼されたらどうしますか?(笑)

吉田:御社の場合だと、出版社ならではの新しい商品とか企画するのはどうでしょうか。世界で一番使い勝手の良い、一人暮らし用の本棚を開発した、とか。あとは会社を数字でひも解いていくと面白いPRができたりします。

濱中:私には無い発想でした!面白いですね。普段、企画は吉田さんの中でどうやって生みだされるのでしょうか?

吉田:皆でホワイトボードでブレインストーミングしたら一番出ます。「これを発展させよう」とか「これをくっつけよう」とか。とにかくホワイトボードを汚くしたらいいです(笑)企画ってゼロから1ではなくて、組み合わせなんですよね。

濱中:何もない状態から作らなくて良いんですね。企画は「組み合わせ」だと考えると気が楽になります!吉田さんがお仕事をしていて、楽しいなっていう瞬間や、やりがいを感じるのはいつですか?

吉田:手掛けたものが話題になったりとか。企画が一番楽しいですね。あと「プランナーあるある」ですが、コンペでのプレゼンが好きです。

濱中:吉田さんのお話はお聞きしてると、すうっとはいってくるようです。

吉田:本当にやって良かったって思うのは、クライアントの方から「感動しました」って言ってもらった時です。相手の想いを感じ取ってそれを熱く語ったからだと思います。共感って大事だと思います。私の場合、結構熱がはいりすぎてしまいがちですが(笑)

濱中:私もそれくらい心をこめたPRをしていきたいです!最後に今後の抱負をお聞かせください。

吉田:世の中がすごいスピードで変わっている中で、常に最前線で最適な方法で最短距離であらゆる課題を解決したい。そして同じような想いをもつ企業の役に立ちたい。そう思っています。

濱中:吉田さん、今日は貴重なお話とお時間、本当にありがとうございました!

~完~

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