
【社長の四方山話】 社交と大器
突然ですが皆さんは「DiSC理論」についてはご存知でしょうか。この理論は、1920年代に米国のウィリアム・M・マーストンという博士が提唱したコミュニケーション理論です。私たちの性格や行動パターンを4タイプに分けて、それぞれのタイプと円滑なコミュニケーションを行うための方法を提示しています。

多様性が重視される現代では、自分や他者の特性をしっかり認識し、柔軟性のあるコミュニケーション能力を磨いていくことが必要です。当社でもスタッフ全員でDiSC診断を受け、自他共の理解を深めようと考えています。
先週、スタッフに先駆けてDiSC診断をやってみました。診断結果はiDでした。iは感化型、Dは主導型といわれています。これは自分でも当たっていると思うので、社内でのコミュニケーションに活かしていこうと思います。
さて、前置きが長くなりました。私はこれまでいくつかの性格診断をしてきましたが、その中に「あなたは社交的ですか?」という質問がよくあります。
社交については、『維新と敗戦』(先崎彰容著)という今読んでいる本の中に、福沢諭吉のエピソードとともに記述がありました。
明治創業のためには、意見の異なる人物とともに仕事をせねばならない。
だから福澤は、社交の達人をめざした。また往々にして聡明な者ほど個性が強く、他人との衝突も起きやすい。
だから福澤は、文明開化の旗振り役を自覚するがゆえに、自らは「大器」たらんとしたのだろう。器が大きければそれだけ、様々な個性を盛り付けることができる。
自分が個性の一つに成り下がると、他人を使うことができないことに気づいていたのだと思う。
『維新と敗戦』/先崎彰容著/晶文社 (2018/8/13)
この文章から、リーダーには、社交性や器の大きさが必要なことをあらためて理解しました。
そして、「社交性」というのは、性格というよりは、社交の必要性に意識・無意識に気づいて行動していることなのかと思いました。器の大きさも同様です。
それでいうと、好む好まざるを抜きに、意識をすれば誰でも社交的で器の大きな人になれるかもしれません。
でも、「自分は社交的ではないし、器も小さいし、だからリーダーに向いていない」と思っている人は世の中にたくさんいます。
リーダーになるということは「重荷を背負う」ことになるので、できれば避けたいという気持ちはわかります。ただ、リーダーを経験しないことには人の成長には限界があります。
自分を成長させるためにも、スタッフ全員には社交性と器の大きさを意識して、リーダーになることを目指してもらえたらと思っています。このことは自戒でもあります。