【広報は思いやりが9割】「ペルソナ」よりも大事なターゲット設定方法

こんにちは。広報担当の濱中です。

このコーナーでは、私が広報担当として日々の中から学んだことを紹介しています。

先月2月末にクロスメディア・パブリッシングが出版した『仕事の研究』という書籍があります。この本の著者は、30年間であらゆる業界、職種でご活躍してこられ、いまは経営者に伴走しながらマーケティングやブランディングの支援をされている美濃部哲也さんです。

そんな「必殺仕事人」の美濃部さんによる、「どこでどんな仕事をしても楽しめる50の法則」を紹介する本が『仕事の研究』です。

美濃部さんがブランディング、マーケティングのプロとしてお仕事されていることもあり、『仕事の研究』を読んでいると、私の広報活動にもすぐに活かせる考え方ばかりで、たくさんの気づきと学びを得ることができました。

また、そんな美濃部さんと書籍のPRのお打ち合わせをさせていただいた際に、直接書籍の内容をもとにアドバイスをいただくこともできました。そこで私が広報担当の方や、マーケティング担当の方にご紹介したい鉄則をご紹介させていただきます。

「世界でいちばん大切な、たったひとり」

私はいま、広報担当として、採用広報を行っています。私と同じように採用広報をされている方、商品のPRをされる方、またマーケティングに関わる方はコンテンツの対象者「ペルソナ」を設定することが多いのではないでしょうか。

もちろん、ペルソナの設定自体は決して間違いではないのですが、それよりももっと大事にしたい、実は最も共感の連鎖が生まれるターゲット設定の考え方があります。「世界でいちばん大切な、たったひとり」を考える方法です。これは『仕事の研究』で紹介されている、最も大事なコンセプトのひとつです。

「ペルソナ」を考えるときは、どうしても「こういう人が多く世の中にいるんじゃないか」という考えで設定しがちです。しかし、「世界で一番大切な、たったひとり」は、バックグラウンドも性格も生活環境もライフスタイルや人生観も、きっとこの人だけだ、というオンリーワンな人物を考え抜く。そして生まれるのが「たったひとり」のターゲットです。

正直のところ、「たったひとり」のために商品やサービスをつくったり、PRするというのはとても不安になりますよね。私も採用活動で、より多くの仲間が欲しいという思いから、共に働きたい仲間像はぼんやりと考えがちでした。

しかし、美濃部さんいわく、細部にまでこだわって想像する「たったひとり」の心を射止めるようなストーリーがあれば、自然にその共感の連鎖が生まれ、結果的に多くの人に想いを届けることができるのです。

私の場合(ポテンシャル人材の採用広報活動)だと、「10年後も一緒に同じ夢に向かって走っていたい人」を具体化させて「たったひとり」と設定します。そしてその人の心を揺れ動かすコンテンツをつくり、発信すれば良いということです。

腹をくくって「たったひとり、この人だけには熱烈に届けたい!」と、思い切って決めてしまう。これは、広報活動でも、マーケティング活動でも大事になるでしょう。大げさかもしれませんが、プライベートでも大事になると思います。側にいる一人に愛情を注げない人は、多くの人に愛情を注げない、というところでしょうか。

まずは「たったひとり」に着実に届ける。「たったひとり」に伝われば、また別の「たったひとり」に伝わる。そうして、想いが伝播していく。

「思いやりのある広報担当者」として、この考え方を取り入れていきたいと思います。「世界で一番大切な、たったひとり」を想像しながら、その人に夢中になってもらうことだけを考えていれば、すべてがうまくなる。この法則を体感していきたいと思います。皆さんもぜひ取り入れてみてください。