• HOME
  • BLOG
  • すべて
  • 【後編】「営業力」は営業だけのものではない。新しい「営業力」の定義で、誰もが前向きに営業を捉えてほしい

【後編】「営業力」は営業だけのものではない。新しい「営業力」の定義で、誰もが前向きに営業を捉えてほしい

編集部 川辺秀美さんインタビュー

いま好評発売中の2022年2月新刊『シン・営業力』。「営業力」というと「コミュニケーションが上手い」「話し方が上手い」といったイメージがありますが、本書では、その本質は「営業しない営業」にあるといいます。「営業しない営業」とは、「営業しなくても、お客さんのほうから仕事を提供してくれる」システムで、そのシステムをつくることができれば「売り込まなくてもいい」のです。
そのシステムをつくるキーポイントととして、本書では「情報力」の重要性を解説しています。本書を編集した川辺秀美さんに、前回のインタビューに引き続き、「営業力」の磨き方について教えていただきます。

「営業力」の新しい定義というのは、川辺さんの考えでもあるし、天野さんからも引き出せたものでもあるということですか?

川辺:最初はこちらから「営業しない営業」というコンセプトを提案しました。そしてもう一つ、自分から提案したのは「戦略眼」。営業には戦略的に提案する必要がある、という話を天野さんにすると、「『戦略眼』も必要だけど、もう一つ大きな目として『観察眼』が大事ですよね」と返ってきました。「観察眼」は、相手の情報や相手が何を考えているのかを正確にとらえること。会話はコミュニケーションとして大事ですが、それだけではなく、相手の情報を引き出すためでもあります。観察して、戦略的に提案するための材料を集めるためにコミュニケーションをするのがとても大事です。

では、川辺さんと天野さんのお二人で生み出した定義だったのですね。

川辺:普段の会話で「戦略眼」や「観察眼」を意識することはないけれど、仕事をしていく上では、無意識で会話をるとまずいと思います。なんとなく取引先と会話をして、仲良くなろうとしているだけでは営業活動は成り立ちません。その会社と取引をしたいのなら、お客様の利益を最大化するための提案をする。単にモノやサービスを買ってもらう、押しつけではなく、自分たちのサービスを使ってその会社がどう成長するのか。自分たちが実際何ができるのか。それらを明確にイメージしてもらえるような提案じゃないといけない。そのためにも、相手から情報を引きだすようなコミュニケーションを意識したいですよね。だから、「おしゃべり」ではだめで、本書でも天野さんが紹介している「自己紹介シート」のようなものを使って、すぐに本題にいけるようにするのが良いと思うんです。

営業の本は「話し方」とかそんな本が多いけど、それとは真逆の本ですね。

川辺:そうですね。だから営業は話さなくて良いんです。優秀な営業パーソンはペチャクチャしゃべらない。

広報も営業力が必要だと感じることがあります。どのようにして磨いていけばよいでしょうか。

川辺:やはり、情報収集・整理・分析だと思います。広報は社内の人とかかわることも多いですよね。その人の癖、考え、本当に思っているところはどこなんだろうという視点で会話しながら、矛盾していることに対して突っ込んだり、「本当はこうなんじゃないんですか?」と提案して相手がどう反応するのかをみてみる。広報は人や情報をつなぐポジションにあると思います。例えば会社のトップの考えを社内外に広める、翻訳(トランスレーション)することが重要ですよね。

コミュニケーションして、自分から積極的に相手の情報を取りに行く。勢いで相手が話している情報をそのまま受けるのではなくて、あえて話を止めて確認することも大事です。相手の真意を聞いて情報をきれいに整理しないと、あとから認識の違いが生じることになる。それを避けるための情報コミュニケーションが必要ですね。

なるほど。営業力はどんな環境でも、職種でも、意識次第で身に付けられるということですね。

川辺:営業力は「互いの価値(利益)を高めるコミュニケーション力」と言ってもいいかもしれませんね。友達同士でいう「コミュ力高い」というコミュニケーションではありません。自分たちが成果を生むためのコミュニケーションとは? と考えて、その目的にあった情報交換をしていくと、それは営業力に近いものを得られるのではないかと思います。

それだと、質問力もとても大事ですね。

川辺:そうです。質問力は大事ですね。それと同じくらい大事なのが、提案力です。とは言っても相手もいろいろな人がいるので、上手く会話が続いてゴールに行けることもあれば、こちらに会話をさせない、考えが頑なだったりする場合は上手くいかないこともあります。少なくとも会話のキャッチボールが出来る人が理想ですね(笑)。あとは、情報量の問題。自分が相手と同じレベルの情報量、もしくはそれを上回る情報量を持っていると「それ面白いですね」となりますよね。優秀な営業パーソンほど、たくさんの情報を持っていて、それを組み合わせて様々な提案が出来る。臨機応変に様々な対応が出来るから勝てる確率が上がる。

だから「シン・営業力」は「情報力」と言って良いんですね。

川辺:すべての職業においてもそうだと言えると思います。編集者もヒットを出せる編集者はたくさんの情報を持っていて、それを自在に組み合わせて適切な時期にリリースする技術を持っている。だからまずは情報をたくさん持つことが重要なんです。質より量と「シン・営業力」でも書いてるけど、量を持つことで、他の人よりも正確な打ち手ができるのです。

川辺さんは普段から書籍づくりのためにたくさんYouTubeをみて、分析されていますよね。

川辺:YouTuberをどうやって選ぶんですか? とよく聞かれるけど、とても簡単で、まずはYouTubeをたくさん見る。YouTubeという広い海がどういう風になっているのか地図を描くことから始まるんです。そして根気強さも大事。毎日ひたすらYouTubeをみてますね(笑)。だからどのYouTuberが良いか? なぜ分かるのかと聞かれますが、ただ単に誰よりもYouTubeをみているから。それだけなんです(笑)。

ベストセラーを作りたければ、ベストセラーを作れるだけの情報を持たないといけない。それは編集者でない一般の方々の情報量をはるかに超えてなければいけないということでもあり、そのためにどうやって情報をストックするのか考えなければなりません。皆が遊びだと思っていることを、遊びじゃなく仕事にする。普通の会社員とは行動が逆になるんです。

普通の会社員の人たちが、書類作って、会議して、社長に気を遣っているように、編集者も同じように過ごしていたら仕事にならないんです。普通の人と真逆の行動をとる。普通の人が合間で見ていることを、仕事のメインにする。だから私は編集者として、ひたすらYouTubeをみて普通の人よりも情報をとるようにしているんです。繰り返しになりますが、普通の人たちと逆のアプローチをしないと編集者としては通用しないですね。遊んでるように見えるかもしれないけど、遊びじゃない。遊んでいることを仕事にしないと成り立たない仕事だから仕方がないんです(笑)。他人より抜きんでようと思ったら、それくらいの行動を起こさないと難しいですよね。

川辺さん、貴重なお話をありがとうございました。

現状に満足せず、常に誰よりも情報をとるという姿勢で、編集という仕事に向き合ってこられた川辺さん。編集者として、仕事人としてのプロフェッショナルな姿勢について教えていただきました。

私も広報として、情報収集と分析を徹底させていきたいと思います。

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。