デジタルマーケティングの真の目的とは?[デジタルとアナログの間で]

コロナ禍を機に、多くの企業がDXという旗印を掲げ、マーケティングも従来のリアルマーケティングからデジタルマーケティングに軸足を移すようになりました。

MarkeZineが毎年行っているマーケティング動向調査でも「デジタルツールへの積極的な投資」に取り組んでいると答えた企業のマーケティング担当者は2021、2022年と2年連続で40%を超えています。

しかし、一方で「投資対効果の可視化が難しい/できない」という回答も2021年が33.1%、2022年が41.1%と、まだまだマーケティングのデジタル化が思うような結果につながっていないことが見て取れます。

思うように結果が出ていない理由の一つに、刈り取り型のデジタルマーケティングになってしまっていることがあると私は考えています。

すでに顕在化しているニーズを掴むためにWeb広告などを大量に投下し、刈り取っていく。たしかにこのような手法である程度の売上をつくるは可能だと思いますが、ニーズを刈り取りきった後はどうなるでしょう?

本来、デジタルマーケティングはニーズを刈り取るためだけに行うものではなく、潜在ニーズを掘り起こし、そのニーズを育成し、顧客化した後も顧客との良好な関係を継続していくための施策に向いています。

商品・サービスを知らない人に存在を認知してもらう、興味を持ってもらう、欲しいと思ってもらう、継続して使ってもらいファンになってもらう。このような流れを作るために様々なチャネルで顧客との接点をつくり、顧客の段階に合わせて施策を打ち、その顧客の反応をデータで可視化・分析し、最終的に顧客にファンになってもらうまでの道筋をつくる。これがデジタルマーケティングの真の目的であるべきです。

当然、その道筋のすべてをデジタルだけで完結する必要はありません。イベントや商品・サービス体験など、リアルとデジタルを組み合わせてもいいでしょう。

ニーズを掘り起こし、育てるという部分がすっぽり抜けていしまっている、もしくは、取り組んでいるけどうまくいっていないと、ファネルの入り口はどんどん狭まり、結果として出口も狭くなってしまう。こうなると、マーケティングの効果は限定的になり、投資対効果が見込めないため、諦めてしまう企業も出てきます。

もし現状のデジタルマーケティングが刈り取り型になってしまっていると感じたら、戦略を見直し、まずファネルの入り口を広げる施策からはじめてみることをおすすめします。

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