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「ほっこり」する、それだけで元気になれる秘密【編集日記】

「私温泉が大好きで、効能書きを熟読するほうなんですけど、銭湯も気持ちよくて、元気になるんです。実はなにか入ってるんじゃないですかね……?」
「ハハハ、銭湯はただのお湯でしょうー。だけど、効果があるのは間違いない」
「何も入っていないのに?」
「そう。すごいのは銭湯じゃなくて、私たちの心と身体なんですよ」
「えっ」

――著者との、居酒屋でのたわいないおしゃべりが、『ほっこり 心身をすこやかに整える55の小さなレッスン』が生まれるきっかけになりました。かわいい顔して中身はすごい。この本の秘密を少しお話ししましょう。

「気持ちいい」は、正義

著者は、慶應義塾大学の医学博士。米国ハーバード大学やスタンフォード大学医学部での研究員の経験もある、内分泌学の権威です。世界で初めて、いろいろな内臓と生活習慣が連関し合って起きる「メタボリックドミノ」を提唱しました。

そんな著者が、「気持ちいいことは体に良い。人の体は、体に良いことをしているとき、快感を感じるようになっている」と説きます。

健康づくりというと、なんとなく、食事をがまんしたり、つらい運動をしたり、辛抱するイメージです。「気持ちいい」ってなんだか怠惰な感じもしますが、いいの?

と、思いますが、「気持ちいい」と感じているそのとき、私たちの身体にはよい作用を与えてくれるホルモンが分泌されています。心を整え、体を健康にするさまざまな良い循環が起こっているのです。

そのとても良い状態を表す言葉、それが「ほっこり」なのです。

おだやかに、ゆったりとリラックスしていて、あたたかく、幸せな気持ちである「ほっこり」。私たちはただ、「ほっこり」という状態になるように心がければいい。そんなシンプルなことだというのです。

現代人は頭を使い過ぎて疲れている

とはいえ、さあ、ほっこりしてください~。といわれて、秒でリラックスできる人なんて、なかなかいませんよね。本書では、「ほっこり」に到達するメカニズムを解き明かし、順を追って良い状態にしていきます。

まず、最初のステップとしては、頭を空っぽにすることからです。

私たちがストレスを感じ、なかなかリラックスできないのは、考え過ぎているから。「無心」になることで、脳はデトックスされます。

ステップ2は、五感を取り戻すこと。静かに体の声を聴きます。

ステップ3として、非日常を味わい、ワクワクドキドキする気持ちを味わいます。アドレナリンが分泌され、心身を活性化させてくれます。

ステップ4では、大自然に身をゆだねます。太陽の光、大海原の波の音、森の空気、鳥のさえずりなどによってセロトニンが分泌され、心が穏やかになっていきます。

ステップ5では、かわいいと感じるものを見たり触れたりして、いとおしい気持ちを感じます。自分という存在がいろいろなものとつながっていることに気づきます。これにより、絆(きずな)のホルモン、オキシトシンがイキイキとします。

このプロセスを繰り返すことで、自然と心身が整っていくのを感じることができるでしょう。

すぐにできる「ほっこり活動」=「ほっ活」も満載

具体的に何をすればいいの? ということで、難しくない、いますぐできる活動を集めました。

・卵の殻をつるんとむく
・サラサラ流れる砂時計を見る
・鏡をピカピカに磨く
・風船を大きくふくらませる
・遠くの星を眺める

……などなど、ほっこりできる「ほっ活」が55あります。

何をするとほっこりするかについて、一つひとつ、著者と考えました。社内の「ほっこり達人」が実践しているおすすめの「ほっ活」も織り交ぜています。

解説とかわいいイラストがついていますので、パラパラとめくるだけでもほっこりした気持ちが味わえるでしょう。

干支が一周して、12年ぶりの担当

著者との出会いは、以前勤めていた新聞社で、健康についての連載記事の監修をお願いしていたことからです。

権威のある医学博士ということで、初めてごあいさつした時はとても緊張しましたが、京都育ちとあって、たおやかな京ことばを話される、とても気さくな方でした。医学から文化、芸術まで博覧強記、お話しがとてもおもしろくて、お会いするたび時間を忘れてしまいました。

私が新聞から出版の部門へ異動したのを機に、「本を書いていただけませんか」とお願いしました。その時は、「私は学術論文しか書いたことがなくて……」とおっしゃっていましたが、博識ぶりが発揮された人の体への愛があふれる一冊ができました。『臓器は若返る』という、ちょっとドキッとするタイトルの一冊です。当時はメタボが話題でしたから、よく売れました。

その後、私どもの版元から数冊、他社からも次々出版、テレビのワイドショーや健康番組にも出演されるようになりました。

そして再び、当社でご一緒することができました。「あとがき」にも書いていただきましたが、干支が一周した12年ぶりの担当となります。

「ほっこり」記憶は続いていく

本書では、ほっこりは、ひとときの気晴らしのようなものではなく、ほっこりしたという「記憶」は、確かに体にきざまれていき、続けるほどに元気に、「ほっこり上手」になると説いています。

あとがきから少し引用します。

「ほっこりホルモン」が「ほっ活」のときにたくさん分泌されると、わたしたちがほっこりしやすくなるように、遺伝子の働き方を変化させます。そして、そのあと「ほっこりホルモン」の分泌が元に戻っても、その遺伝子上の変化は、変わらずに体に残ります。

 「ほっ活」して「ほっこり」すると、「ほっこりホルモン」が分泌されるたび体と心にとっていいスパイラルに入っていくのです。

『ほっこり』あとがきより

先生とお会いするたびに、あるホルモンが確実に分泌されている、と感じます。それは、「オキシトシン」。絆、つながりのホルモンです。

それは時とともにほっこりが深まっていくような気がいたします。ほっこりには、時間とともにはくぐまれる部分もあるのかもしれません。これこそ、人のつながりの素晴らしさです。

ほっこり上手な、健康で素敵なおばあちゃんになりたいものです。


今回の「編集日記」を担当した、編集長・友澤和子さんの「わたしのストーリー」はこちらからお読みいただけます。


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